猫の恩返し / ギブリーズ episode 2

pinkflag_ver22003-09-10


うん、短いながらも単純に面白かった。ギブリーズは全体の雰囲気は「となりの山田くん」っぽく仕上がってるけど、作画については3DCGを多用して迫力ある映像で、変なミスマッチというか、ちょっと変わったもの食った感じ。


猫の恩返しは、まだ観た事無い人でもCMで見てるかと思いますが、これまでのジブリ作品とは絵がガラッと一変、これをどう取るかは個人の好みでしょうが、ワタシは結構気に入りました。宮崎キャラに比べて表情の動きが大きくて、これはこれで良いのかなという感じ。


この作品のもうひとつの特徴は、笑える要素が多い事かなと思います。もちろん宮崎作品にもいろいろ笑える部分がありますが、純粋に笑いを取るための演出がこれまでになく多彩であるということ。猫の国の城で猫達がいろいろと芸をするシーンなどは、ホントに笑いを取るためにだけやってるとしか思えないことの連続で、原作がそうなってるのか知らないけど、結構楽しめました。どうやらこーいうところでは、「あんなのジブリじゃないやい!」とか「宮崎作品と比べると…」といった意見が多いようですが、そんなん比べたってしょうがあるまいよ、と思うのは割り切り過ぎなんでしょうか?


この作品のテーマは「自分をしっかり持って今を生きる」ということなのかと思いますが、猫の国から帰ってきたヒロインのハルがそれまでとはすっかり一変してるのは良かったような気もする一方、その変化をもう少し見せて欲しかったかなーと思います。なにしろ時間が1時間ちょっと、テンポがいいと言えばそうだけど、ちょっと端折り過ぎなところは否めませんでした。ただ、そのためこの作品が悪いと言う風には思いません。もともと重いテーマではないわけだし、このくらい軽い感じでいいのではないかと。問題だったのは密度。トトロも割と短かったし、テーマに合った長さだと思います。


監督の森田氏は40歳前後?だろうから、大衆文化としては割とナンセンスだとか、シュールだとかいうのに影響受けている世代でしょう、故にこのライトな演出になった分、宮崎作品との乖離が大きかったのかなーと思われます。宮崎御大の存在は当分負担になるのかもしれないけど、頑張ってこのまま続けていって欲しいと思います。少しはこーいう人が居てくれないと、無闇にヘヴィなものか記号化されたキャラ萌えしか選択肢がなくなって、アニメの普遍性が保てなくなっちゃうよ。